Home  /  Insights  /  バーチャルオフィスの印鑑証明|必要書類と手続きの流れ【完全ガイド】

バーチャルオフィスの印鑑証明|必要書類と手続きの流れ【完全ガイド】

Frerik Bongers
Updated: October 15, 2026
Published: October 15, 2026

バーチャルオフィスの契約と法人登記では、「印鑑証明」という同じ言葉が別のものを指しています。契約の相手は住所を運営する会社で、そこで求められるのは本人確認の書類です。登記の相手は法務局で、こちらは登記所に提出した印鑑についての証明書です。「バーチャルオフィス 印鑑証明」で調べたときに「必要」と「不要」が食い違って見えるのは、この2つが分けられていないためです。

この記事では、運営会社が契約のときに扱う書類と、法務局が扱う手続きを分けて整理します。月額料金や法人登記そのものの進め方はバーチャルオフィスの完全ガイドにまとめているため、ここでは印鑑証明に絞ります。

バーチャルオフィスの印鑑証明とは

印鑑証明書には2種類あります。1つは個人の印鑑登録証明書で、住民登録のある市区町村が扱います。もう1つは会社・法人代表者の印鑑証明書で、こちらは法務局(登記所)が扱います。名前が似ているだけで、登録先も請求先も別の制度です。

バーチャルオフィスの住所は事業のための住所であり、住民登録をする場所ではありません。そのため、個人の印鑑登録証明書をバーチャルオフィスの住所で取ることはできません。個人の印鑑登録が要る場合は、住民登録のある市区町村で手続きします。

会社の印鑑証明書は別です。法務省の案内では、印鑑を登記所に提出している会社の代表者等が、所定の手数料を納付して交付を請求できるとされています。申請書には商号と本店、印鑑提出者の資格・氏名・出生年月日、印鑑カード番号を記載し、印鑑カードを添えて登記所の窓口に提出します。郵送でも請求できますが、その場合も印鑑カードの提出が必要です。出典は法務省「会社・法人の登記事項証明書等を請求される方へ」です。

検索結果で「契約に印鑑証明は不要」と書かれているページと、「法人登記には印鑑証明が必要」と書かれているページが並ぶのは、前者が運営会社との契約の話をしていて、後者が法務局での手続きの話をしているからです。どちらも間違いではなく、主語が違うだけです。

つまり、バーチャルオフィスの住所で取れないのは個人の印鑑登録証明書のほうで、会社の印鑑証明書は登記所に印鑑を提出していれば請求できます。この順番を押さえておくと、以降の手続きで迷いません。

印鑑証明書の手数料の目安

法務省が公表している登記手数料は、令和7年4月1日からの額です。会社・法人の印鑑証明書は、書面請求が1通500円、オンライン請求で郵送を選ぶと450円、オンライン請求で窓口交付を選ぶと420円です。出典は法務省「登記手数料について」です。

あわせて使うことが多い登記事項証明書は、書面請求が1通600円、オンライン請求・送付が520円、オンライン請求・窓口交付が490円です。法人口座の開設や取引先への提出では、印鑑証明書と登記事項証明書の両方を求められることがあります。

どの請求方法を選ぶかは、急ぎかどうかで決まります。すぐ必要なら登記所の窓口で請求して受け取るのが早く、取りに行く時間がない場合はオンライン請求で郵送を選びます。ただしオンライン請求には電子証明書が必要なため、設立の直後でまだ電子証明書を取得していない段階では、窓口か郵送のほうが現実的です。

この金額は法務局に納めるもので、バーチャルオフィスの月額料金とは別の費用です。住所そのものの料金の目安はバーチャルオフィスの完全ガイドで扱っています。なお、手数料の額は改定されることがあるため、請求の直前に法務省の案内で確認してください。

印鑑を提出するか、電子証明書で済ませるか

令和3年2月15日から、登記の申請をオンラインで行う場合は印鑑の提出が任意になりました。法務省は、代表者の印鑑証明書が必要などの理由で印鑑を提出する場合には、オンラインによる登記の申請と同時に行うときに限りオンラインで届け出られる、と案内しています。出典は法務省「オンラインによる印鑑の提出又は廃止の届出について」です。

同じ案内には、見落としやすい条件が3つ書かれています。

  • 書面申請(QRコード付き書面申請を含む)の場合や、代理人による申請で委任状を書面により持参または送付する場合は、従来どおり書面での印鑑の提出が必要です。
  • 印鑑の提出または廃止の届出だけを単独でオンラインで行うことはできません。
  • 印鑑届書には物体による印章を用いて押印します。電子印鑑や電子ハンコは届け出られません。
  • 様式は拡大や縮小をせずにA4で印刷し、原寸のまま600dpi程度でスキャンします。印影が不鮮明だと判断された場合は、原本の提出を求められることがあります。

判断の分かれ目は、会社の印鑑証明書を使う場面があるかどうかです。法人口座の開設や不動産の契約で求められる見込みがあるなら、設立登記と同じタイミングで印鑑を提出しておくほうが手戻りがありません。口座開設の審査で何を見られるかはバーチャルオフィスで法人口座を開く記事で扱っています。

住所だけでなく作業する場所も必要なら、レンタルオフィスが選択肢になります。2つの違いは完全ガイドにまとめています。

バーチャルオフィスの住所|全国212拠点から10選

Wezooが日本で扱っているバーチャルオフィスは212拠点です。掲載数の多い順に、東京73拠点、大阪23拠点、名古屋14拠点、福岡12拠点、横浜10拠点、仙台7拠点、広島6拠点、札幌4拠点となっています。ここでは主要な都市から10拠点を挙げます。登記に使えるかどうかや必要な書類は拠点ごとに条件が違うため、申し込みの前に運営会社に確認してください。

1. ACN Shibadaimon Building(東京都)

ACN Shibadaimon Buildingのバーチャルオフィス(東京都)

ACN Shibadaimon Building 提供 Open Office、東京都

東京はWezooの掲載が最も多く、73拠点あります。ACN Shibadaimon Buildingはそのうちの1棟で、建物名がそのまま住所の表記になります。

この住所でできること:登記に使う住所を選ぶとき、最初に効いてくるのは郵便の受け取り方です。法務局は印鑑証明書を指定した住所に送るため、その住所で郵便を確実に受け取れるかどうかが後の手続きの速さを決めます。

運営:Open Office

ACN Shibadaimon BuildingをWezooで問い合わせる

2. Hulic Kanda Building(東京都)

Hulic Kanda Buildingのバーチャルオフィス(東京都)

Hulic Kanda Building 提供 Regus、東京都

神田須田町にある建物で、掲載上はビルの1階から4階が対象です。運営はRegusです。

この住所でできること:本店所在地として登記した住所は、登記事項証明書に載ります。この証明書は所定の手数料を納めればどなたでも請求できるため、登記に使う住所は外から見える情報だと考えておくほうが安全です。

運営:Regus

Hulic Kanda BuildingをWezooで問い合わせる

3. Abeno Harukas(大阪市)

Abeno Harukasのバーチャルオフィス(大阪市)

Abeno Harukas 提供 Regus、大阪市

大阪は23拠点で、東京に次ぐ掲載数です。Abeno Harukasは掲載上31階が対象で、運営はRegusです。

この住所でできること:会社の印鑑証明書は、印鑑を登記所に提出している代表者等が請求します。住所の運営会社が代わりに取得してくれるものではないため、住所選びと証明書の取得は別の作業として進めます。

運営:Regus

Abeno HarukasをWezooで問い合わせる

4. Ibaraki Higashi Hankyu Building(大阪府茨木市)

Ibaraki Higashi Hankyu Buildingのバーチャルオフィス(大阪府茨木市)

Ibaraki Higashi Hankyu Building 提供 Regus、大阪府茨木市

大阪府内でも茨木市にある拠点で、掲載上は4階が対象です。中心部から離れた住所を選ぶ選択肢もあります。

この住所でできること:印鑑証明書の請求先は登記所です。法務省の案内では、請求に当たって申請書に商号と本店、印鑑提出者の資格・氏名・出生年月日、印鑑カード番号を記載するとされています。本店の住所そのものが請求の条件として挙げられているわけではありません。

運営:Regus

Ibaraki Higashi Hankyu BuildingをWezooで問い合わせる

5. Itochu Building(名古屋市)

Itochu Buildingのバーチャルオフィス(名古屋市)

Itochu Building 提供 Open Office、名古屋市

名古屋は14拠点です。Itochu Buildingは中区錦にあり、掲載上は4階が対象で、運営はOpen Officeです。

この住所でできること:印鑑カードは紙のカードで、窓口でも郵送でも請求のときに現物が要ります。会社の印鑑と同じように保管場所を決めておくと、後から慌てずに済みます。

運営:Open Office

Itochu BuildingをWezooで問い合わせる

6. Kitakyushu Toyo Building(福岡県北九州市)

Kitakyushu Toyo Buildingのバーチャルオフィス(福岡県北九州市)

Kitakyushu Toyo Building 提供 Open Office、福岡県北九州市

福岡は12拠点です。この拠点は北九州市にあり、掲載上は3階と5階が対象です。

この住所でできること:代理人に印鑑証明書の請求を任せることもできますが、その場合も印鑑カードは必要です。士業に依頼する予定があるなら、カードの受け渡しをどうするかを先に決めておきます。

運営:Open Office

Kitakyushu Toyo BuildingをWezooで問い合わせる

7. Sotetsu KS Building(横浜市)

Sotetsu KS Buildingのバーチャルオフィス(横浜市)

Sotetsu KS Building 提供 Regus、横浜市

横浜は10拠点です。Sotetsu KS Buildingは掲載上6階と9階が対象で、運営はRegusです。

この住所でできること:印鑑証明書をオンラインで請求しても、交付は郵送か窓口受取です。画面上でPDFとして受け取れるわけではないので、どちらで受け取るかを先に決めておきます。

運営:Regus

Sotetsu KS BuildingをWezooで問い合わせる

8. Sento Kaikan(仙台市)

Sento Kaikanのバーチャルオフィス(仙台市)

Sento Kaikan 提供 Open Office、仙台市

仙台は7拠点です。Sento Kaikanは掲載上5階が対象で、運営はOpen Officeです。

この住所でできること:窓口で印鑑証明書を受け取るときは、印鑑カードの提示が必要です。オンラインで請求して窓口受取を選んだ場合も同じで、カードを持たずに行くと受け取れません。

運営:Open Office

Sento KaikanをWezooで問い合わせる

9. GRANODE(広島市)

GRANODEのバーチャルオフィス(広島市)

GRANODE 提供 Regus、広島市

広島は6拠点です。GRANODEは掲載上3階が対象で、運営はRegusです。

この住所でできること:設立登記をオンラインで申請する場合、印鑑の提出は任意です。ただし印鑑を提出しなければ会社の印鑑証明書は請求できないため、先に使う場面があるかどうかを確かめておきます。

運営:Regus

GRANODEをWezooで問い合わせる

10. Kita Building(札幌市)

Kita Buildingのバーチャルオフィス(札幌市)

Kita Building 提供 Regus、札幌市

札幌は4拠点です。Kita Buildingは掲載上9階が対象で、運営はRegusです。

この住所でできること:印鑑届書には物体による印章で押印します。電子印鑑や電子ハンコは届け出られないため、オンラインで登記申請をする場合でも、会社の実印そのものは物として作る必要があります。

運営:Regus

Kita BuildingをWezooで問い合わせる

印鑑証明の準備が重要になる人

同じバーチャルオフィスの利用者でも、印鑑証明が関わる度合いは違います。

  • これから会社を設立する人。会社の実印を作り、登記を申請し、印鑑カードの交付を受けてからでないと印鑑証明書は請求できません。順番が固定されているぶん、日数を見込んでおく必要があります。
  • 法人口座を開く予定の人。会社の印鑑証明書を求められる場面があります。詳しくは法人口座の記事を参照してください。
  • 請求を代理人に任せる人。代理人によって請求することもできますが、その場合も印鑑カードは必要です。
  • 個人事業主。会社の印鑑証明書は法人のための制度なので、法人を作らないかぎり関係しません。個人の印鑑登録証明書が要る場合は住民登録のある市区町村で手続きします。住所の使い分けは個人事業主向けの記事で扱っています。
  • 日本に住民登録がない人。個人の印鑑登録は住民登録のある市区町村の制度です。代わりになる書類があるかどうかは手続きの種類によって違うため、申請先の法務局または司法書士などの専門家に確認してください。

共通しているのは、印鑑証明書が必要になる場面は相手から求められて初めて分かることが多い、という点です。法人口座の開設、不動産や自動車の契約、公正証書の作成などが代表的で、求められてから準備を始めると日数が足りないことがあります。使う見込みが少しでもあるなら、設立のタイミングで印鑑を提出しておくほうが安全です。

申し込みから印鑑証明書を受け取るまでの流れ

設立から証明書の取得までは、次の順番で進みます。

  1. 住所を選び、運営会社に問い合わせる。必要な書類は運営会社ごとに違います。契約の条件と、登記に使えるかどうかを先に確認します。
  2. 会社の実印を作る。物体による印章が必要です。発注から手元に届くまでの日数を見込んでおきます。
  3. 設立登記を申請する。オンライン申請なら印鑑の提出は任意ですが、印鑑証明書を使う予定があるなら登記申請と同時に届け出ます。
  4. 印鑑カードの交付を受ける。交付請求書には、登記所に提出している印鑑を押印します。代理人が申請するときは委任状の添付が必要です。
  5. 印鑑証明書を請求する。窓口、郵送、オンラインの3通りがあります。オンライン請求には電子証明書が必要で、マイナンバーカードでも請求できます。交付は指定した住所への郵送か窓口受取で、窓口で受け取るときは印鑑カードを持参します。オンライン請求で窓口受取を選んだ場合、収入印紙等によって手数料を納付することはできません。出典は法務局「会社・法人代表者の印鑑証明書を取得したい方」です。

バーチャルオフィスを使う会社にとって大事なのは、5番目の「郵送」です。法務局は印鑑証明書を指定した住所に送ります。登記上の住所がバーチャルオフィスであれば、その郵便をどう受け取るかは運営会社の取り扱い次第になります。

書留や内容証明のように、受け取るときに押印や署名が要る郵便を扱えるかどうかは拠点ごとに違います。郵便物の転送の仕組みそのものは完全ガイドにまとめているので、ここでは1つだけ。登記に使う住所を決める前に、重要書類の受け取り方を運営会社に確認しておいてください。あとから住所を変えると、登記の変更手続きが必要になります。

都市別の拠点は、神戸、熊本、静岡の記事でも扱っています。全国の一覧と選び方はバーチャルオフィスの完全ガイドをご覧ください。

※この記事は手続きの一般的な整理です。設立登記、印鑑の提出、証明書の請求についての個別の要件は、申請先の法務局、住民登録のある市区町村、または司法書士などの専門家にご確認ください。手数料や制度の内容は改定されることがあるため、最新の案内を法務省および法務局のサイトでご確認ください。

Tags
Picture of Frerik Bongers
Frerik Bongers
I love turning complexity into clarity. Making sure that busy teams can think, decide, and move with zero workspace friction.
Don't forget to share this post

Other articles